『協会名鑑』編集部です。「社会を変える協会特集」第34回は、特定非営利活動法人として活動されているインフォメーションギャップバスター様を取材させていただきました!
Q. インフォメーションギャップバスターは、どんな協会なのでしょうか?
聴覚障害などのハンディや社会側の当事者に対する理解不足などが原因で十分な情報を得ることができず、経済・健康などで不利な立場にある方が数百万名以上いると推定されます。本NPOは、当事者の前に立ちはだかっている情報・コミュニケーションバリアをなくし、誰もが情報を得ることのできる豊かな社会を目指すことを目的としています。情報・コミュニケーションバリア問題を社会へ啓発したり、行政へ改善要望を出したりなどの活動を実施しています。
Q. インフォメーションギャップバスターは、どのような想いやきっかけで設立されたのですか?
主に民間企業に勤務している聴覚障害者当事者が、会社の中で実感した情報・コミュニケーションバリアを解消することを主な目的として本NPOを設立。情報・コミュニケーションバリアの一例として、聴覚障害者が多人数で実施する会議の内容を理解できないことがあり、その結果、できるはずの仕事を任せられなかったりなど、評価を上げるための機会を損失したりすることが日常茶飯事的に起きています。本NPOのメンバは、社会(会社)の当事者に対する正しい理解があり、かつ、エンパワーメント(安心して仕事などを任せること)があれば、当事者自身が、実力を十分に発揮し、活躍することができて、会社にも良い影響を与えたことを体験しています。その考えを受けて、ビジネスの観点から当事者にとっても社会(会社)にとってもメリットのある仕組みを築くなどあらゆる試みを設立当初から実践しています。


Q. インフォメーションギャップバスターは、普段どのような活動をされているのでしょうか?
●啓発:一般市民に情報・コミュニケーションバリア問題を認識してもらい、解決行動を促す。
一般市民の方を対象とする情報・コミュニケーションバリア問題のセミナーや講演を実施・啓発し、問題意識をもって自主的に解決行動するよう呼びかけ。
例)
・ホスピタリティ産業の方を対象に窓口における電話応対の情報・コミュニケーションバリアフリー化につながる電話リレーサービスの紹介など
●要望:情報・コミュニケーションバリア解消のために関係団体に働きかけ、解決を促す
行政や企業に対して、情報格差を解消するための仕組み作りや改善を提案するためにさまざまな要望活動を実施。
例)
・電話におけるコミュニケーションバリアフリー化を推進する電話リレーサービスの実現のために、署名を集め、総務省へ提出
・障害者差別解消法や障害者雇用促進法などの関連法規の学習会開催、関連制度・法規のパブリックコメント提出など


Q. 最後に『協会名鑑』読者の皆様へメッセージがありましたらお聞かせください。
情報・コミュニケーションバリアは目に見えない問題のため、見えない部分を想像するための「想像力」を豊かに働かせることが大切です。「想像力」を働かせることで、相手の立場や気持ちをある程度汲み取ることができ、それによって、コミュニケーションの本質を知るきっかけにもなります。参加したメンバからは、「情報・コミュニケーションバリア問題に取り組むことで、コミュニケーションの面白さを知ることができ、自分のコミュニケーションスキル向上にもつながった」「先進的な取り組みが多くて、刺激を多く受けます」などの感想をいただいています。
もし関心がございましたら、月1回開催している定例会に是非参加してみませんか。定例会では、様々な分野(労働、生活、文化など)におけるコミュニケーションバリアフリーに関することをテーマとしています。障害者当事者もそうでなくてもどなたでも参加になれますので、気軽にお越しください。