徳島県古武道協会

『協会名鑑』編集部です。「社会を変える協会特集」第10回は、特定非営利活動法人として活動されている徳島県古武道協会様を取材させていただきました!

Q. 徳島県古武道協会は、どんな協会なのでしょうか?

徳島県に伝承された古武術の保存振興及びそれに伴う資料等の保管収集に関する事業を行うことにより、社会教育の推進、文化の振興及び子供の健全育成に寄与する目的として設立されました。徳島に伝承された柳生新陰流の指南や各地方に伝承された古武術の交流を目的として、徳島県内外の有名神社での奉納演舞大会開催の企画などを行い、徳島の伝承された伝統武術を守り後生に伝えることで郷土徳島を盛り上げる活動をしています。 

Q. 徳島県古武道協会は、どのような想いやきっかけで設立されたのですか?

江戸時代、日本では武家社会と長期の平和を背景に武術が栄え、幕末までに数百から千を越える流儀が誕生したとされ世界でも稀に見る武術大国でした。しかし、明治維新以降、武道の発展に反比例するように、多くの流儀は激動の時代の中で途絶えていきました。そして往時の姿のままに現在まで伝統を継承できた流儀は、残念ながらそう多くはありません。その僅かな中にも、組織的な運営や表立った広報活動等がうまくいかなかったため、次代を担う門人が確保できず後世へ伝承できず消滅した流派がいくつもあります。戦後は、スポーツ剣道が普及し、さらに継承が深刻になり徳島に伝承されている古武術の保存や後世への伝承などが急務となりました。そこで徳島県内外の古武術関係者が協力して、徳島に伝承された古武術の普及や保全に力を注ぎ、他流派との交流、演舞会の開催、一般市民の皆様への広報活動等に積極的に取り組むことを目的として協会の設立に至りました。

Q. 徳島県古武道協会は、普段どのような活動をされているのでしょうか?

関ヶ原合戦前に徳島に伝えられた柳生新陰流である阿州柳生神影流兵法剣術の指南やそれに付帯して伝承されている武道神事(浦安の舞、劔の舞、神楽舞、五穀豊穣の舞)の指南を毎週水土の午後7時半~9時まで事務所のある久武館道場で行ってます。武道神事である神楽舞の一つに棒神楽があり、これには柳生十兵衛の「十兵衛杖」が関係しており、伝承されている阿州柳生神影流兵法剣術と徳島の阿波踊りと十兵衛杖がコラボして非常に貴重な神事となっています。また徳島県内外の伝承流派の交流や継承の披露を目的として各神社で奉納演舞大会を開催し、現在では徳島県外では世界遺産である山城国一之宮 賀茂御祖神社(下鴨神社)、日本武尊を祀り武道信仰の厚い和泉国一之宮 大鳥大社や香川県白鳥神社で行い、徳島県内では阿波国一之宮 大麻比古神社や古より武道信仰の本山であった四国霊峰剣山やそれに関連する美馬市川上神社などに奉納演舞しています。

Q. 最後に『協会名鑑』読者の皆様へメッセージがありましたらお聞かせください。

戦後は、スポーツ競技試合を重視した現代武道(剣道、柔道)に集約され、人口の少ない徳島では古武術の保存や伝承は、継承者個人が後継者を見つけ継承していくスタイルでした。それ故、全国的に見ても希少で価値があるものであっても社会的に認知や評価もされず、行政の保護対象にもなりませんでした。徳島藩御流儀であった貫心流ですら徳島では失伝しています。それぐらい古流武術の価値を認める人はほとんどいませんでした。設立当初は、協会は作ったものの本当に運営できるのかと不安もありましたが、歴史背景を理解して下さる神社からの奉納演舞依頼の申し出や古い文献などを寄贈して下さる方もおられ、若年層の会員も増え順調に活動させて頂いております。徳島県古武道協会は、団体でも個人でも入会していただければ流派関係なく奉納演舞の機会が設けられています。一緒に私たちと伝統ある古武術を習って古人の教えや文化に触れてみませんか?

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